本とカップのある静かな暮らしの風景
鬼灯の灯明

生理は病気じゃない。でも、我慢するものでもない。|婦人科に行こうか迷ったときに、女将が思うこと

生理は病気ではありません。

けれど。

「病気ではないのだから、多少つらくても仕方がない」

という意味でもないのだと思います。

生理痛がある。量が多い。周期がなかなか定まらない。生理前になると、身体が重かったり、気分が落ち込んだりする。

女性として長く付き合っているうちに、「まあ、生理だから」と済ませてしまうことは、案外たくさんあります。

私自身も、どちらかといえばそうでした。

今回は、生理用品のお話からもう少しだけ先へ。「これって病院へ行くほどなのかしら」と迷ったときのお話です。

「生理だからこんなもの」と思っていました

生理痛というものは、多少あって当たり前。周期は、人によって違うもの。生理前に気分が揺れることだってある。

そう思っていると、自分の不調がどのくらいなのか、案外分からなくなります。

人の生理と比べることも、ほとんどありません。隣の人が毎月どのくらい痛いのか。薬を飲んでいるのか。仕事を休むほどなのか。そんなことは、わざわざ聞かないものです。

だから、「みんなこれくらい大変なのだろう」と思ってしまうことがあります。

けれど、生理に伴う痛みや不調が強く、日常生活に支障が出ている状態には、月経困難症という名前があります。子宮内膜症や子宮筋腫など、別の病気が関係している場合もあります。

「生理痛」というひとことで済ませていたものにも、きちんと相談してよい場合があるのですね。

生理前の不調も、「気の持ちよう」だけではありません

生理が始まる少し前。妙に眠い。身体が重い。むくむ。お腹が張る。頭が痛い。いつもよりイライラしたり、気分が落ち込んだりする。

そして、生理が始まると少し楽になる。

こうした症状が周期的に現れるものが、PMS(月経前症候群)です。

「また機嫌が悪くなっているだけ」「気合いが足りないだけ」という話でもありません。自分でも毎月困っているのなら、一度婦人科で相談してみてもよいものです。

私は、周期の記録をよく忘れます

そして、もうひとつ。

私は、生理周期が少し不順気味です。

……なのですが。

記録をつけることも、よく忘れます。

生理が来た日に、「あとで記録しておこう」と思って、忘れる。次の月になって、「前回いつだったかしら」となる。こういうことが、まあまああります。

けれど、周期が乱れているのかどうかを見るためにも、受診するときに説明するためにも、「いつ始まったか」が分かるだけでも随分違います。

毎日細かく体調を記録できれば素晴らしいのでしょうけれど。私は、そこまできっちり続けられません。

なので最近は、生理が始まった日だけでも残しておく。くらいでよいと思っています。

記録が苦手なら、普段使うカレンダーでもいい

生理管理専用のアプリもたくさんあります。

ただ、そのアプリを開くこと自体を忘れる。という人もいるのではないでしょうか。

……私はあります。

そんなときは、普段から使っているカレンダーへ、「生理1日目」「少量出血」「痛み強め」くらいを簡単に残しておく方法でもよいと思います。

完璧な健康記録を作ることより、あとから見返して「この頃から変だったかもしれない」と分かること。その方が、私には続けやすいようです。

ChatGPTでGoogleカレンダーを接続している場合は、会話の流れで予定やメモとして記録しておく方法もあります。たとえば、「今日、生理1日目で記録して」というように、普段の会話のついでに残しておく。

もちろん、これは診断をしてもらうためではありません。自分の身体の変化を、あとから振り返るためのメモ。そのくらいがちょうどよいと思います。

婦人科は、妊娠したときだけに行く場所ではありません

婦人科というと、妊娠したとき。妊娠を希望するとき。そんなときに行く場所、という印象をお持ちの方もいるかもしれません。

けれど、婦人科は妊娠のときだけに行く場所ではありません。

生理の痛みが以前より強くなった。周期が乱れている。出血量が気になる。生理前の心や身体の不調がつらい。いつもの生理とは違う出血があった。

そんな、「いつもと少し違うかもしれない」を相談してよい場所でもあります。

「病院へ行くほどではないかしら」と迷ったら

もちろん。何も気になることがないのに、毎回不安になって病院へ行かなければならない、という話ではありません。

けれど。

「これ、病院へ行った方がいいのかしら」と何度も気になっているなら。その時点で、一度相談してみるというのも選択肢です。

痛みや出血の程度だけでなく、「以前と違う」「毎月困っている」「生活に支障がある」というのも、立派な相談のきっかけです。

そして診てもらって、「特に問題ありませんよ」と言われたなら。それはそれで、ひとつ安心して帰れる理由になります。

何か病気を見つけなければ、病院へ行った意味がないわけではありません。何もないことを確認できた。それも、ちゃんと受診した意味のひとつだと思うのです。

生理は病気ではない。だからこそ、身体の声を見落とさない

生理そのものは病気ではありません。

けれど、痛くて動けないことも。毎月生活に支障が出ることも。いつもと違う出血や周期の乱れも。全部を、「生理だから仕方ない」で済ませなくてもよいのだと思います。

毎月あることだから、慣れてしまう。長く付き合っている身体だから、「私はこういうもの」と思ってしまう。

けれど、ときどき立ち止まって、「最近、何か変わっていないかしら」と振り返ってみる。

必要なら記録してみる。気になるなら相談してみる。それくらいの付き合い方でよいのではないでしょうか。

女将のひとこと

病院へ行くというのは、少し面倒です。

待ち時間もありますし、「こんなことで来てよかったのかしら」と思うこともあります。

それでも、病院へ行こうか迷うほど何かが気になっているなら、一度診てもらう。私は、それでよいと思っています。

診てもらって。何もなければ、「よかった」と帰ってくればよいのです。

生理も、自分の身体も。毎月のことだからこそ、我慢することに慣れすぎず。

今月も、なるべく穏やかに付き合っていけますように。

※この記事は、日々の暮らしの中で生理と付き合うための一般的な読みものです。強い痛み、大量の出血、妊娠の可能性がある状態での出血、急な体調悪化などがある場合は、自己判断せず医療機関へご相談ください。

参考:厚生労働省「月経について」、日本産科婦人科学会「月経前症候群(PMS)」/写真:Karen Zhao (Unsplash)

有紀 中谷

心を休め、明日へ帰るためのデジタル旅館「月詠堂」の女将、月夜千冬星です。 タロット・数秘・星読みを通して、迷いや不安を抱えた心にそっと灯りをともします。 ここでは、占いのこと、心地よく暮らすための読み物、月詠堂に集う人々や日々の物語を綴っています。 どうぞ今夜も、ごゆっくりお過ごしくださいませ。

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