女将のまかない帖|豆とコールスローの乱
月詠堂の台所では、その日にあるものを眺めながら、まかないを作ります。
本日のまかないは、少し懐かしいお子様ランチ風。
冷蔵庫にあったひき肉でハンバーグを焼き、ごはんと一緒にひと皿へ。いただきものの豆と採れたてのとうもろこしで作ったポタージュ、キャベツとレタスのコールスロー風を添えました。
見た目は、なかなかきれいにまとまったのです。

ところが、食卓へ運んで味を確かめてみると――
思っていたより、ずいぶん豆。
とうもろこしの甘いポタージュになる予定でしたが、採れたてのとうもろこしを押しのけ、豆が堂々と前へ出てきました。
不味いわけではありません。むしろ、これはこれで美味しい。
ただ、とうもろこしのポタージュを作ったつもりが、出来上がったのは「とうもろこしも入っている豆のポタージュ」でした。
そしてもうひとつ。キャベツとレタス、ウインナーで作ったコールスロー風の副菜も、当初の予定とは少し違う場所へ着地しました。
豆とコールスロー。ふたつ揃って、女将の思惑どおりには進んでくれません。
本日のざっくりまかない
甘辛ソースのハンバーグ
豆と採れたてとうもろこしのポタージュ
キャベツとレタス、ウインナーのコールスロー風
ごはん
甘辛ソースのハンバーグ
材料(作りやすい分量・すべて目安)
ひき肉 食べる人数分
卵 ひき肉がまとまるくらい
玉ねぎ あるだけ
パン粉 様子を見ながら
甘辛ソース
ケチャップ 大さじ3くらい
醤油 大さじ1くらい
みりん 大さじ1くらい
砂糖 小さじ1くらい
水 大さじ2くらい
バター あれば少し
女将の覚え書き:豆とコールスローが少々道に迷うなか、ハンバーグは文句なしの仕上がり。甘辛いソースをたっぷり絡めた、本日の頼れる主役です。
作り方
一、 ひき肉、卵、みじん切りにした玉ねぎ、パン粉を混ぜ、食べやすい大きさに丸めます。
二、 フライパンで両面を焼き、中までしっかり火を通します。
三、 ハンバーグを焼いたあとのフライパンに、ケチャップ、醤油、みりん、砂糖、水を加えます。
四、 少しとろみが出るまで煮詰め、ハンバーグへ絡めたら出来上がりです。バターがあれば、仕上げに少し加えます。
豆と採れたてとうもろこしのポタージュ
材料(作りやすい分量・すべて目安)
豆 あるだけ
採れたてとうもろこし あるだけ
牛乳 好みの濃さになるまで
コンソメ 味を見ながら
バター ひとかけ
女将の覚え書き:美味しくないわけではありません。ただし、豆は思っているより前へ出ます。とうもろこしを主役にしたい日は、豆を少々控えめに。
作り方
一、 豆は怪しそうなものを除き、やわらかくなるまで茹でます。
二、 とうもろこしの実を芯から外します。
三、 豆、とうもろこし、牛乳、コンソメ、バターを合わせ、なめらかになるまで撹拌します。
四、 味と濃さを見ながら牛乳やコンソメを足し、その日のちょうどよい味に整えます。
キャベツとレタス、ウインナーのコールスロー風
材料(作りやすい分量・すべて目安)
千切りキャベツ あるだけ
キャベツ あるだけ
レタス あるだけ
ウインナー 食べたいだけ
みりん 少々
マヨネーズ 味を見ながら
オリーブオイル 少々
にんにく 少々
しょうが 少々
コールスロー用の味つけ その日の加減で
女将の覚え書き:コールスローを目指していたはずが、にんにくとしょうがも加わり、少々別の料理になりました。これもまた、冷蔵庫にあるもので作るまかないです。
作り方
一、 キャベツ、レタス、ウインナーを食べやすく切ります。
二、 オリーブオイル、にんにく、しょうがと一緒に調理します。
三、 みりん、マヨネーズ、コールスロー用の味つけを加え、味を見ながら整えたら出来上がりです。
本日の食卓、その顛末
きっちり量らず、味を見ながら足したり引いたり。同じものは、きっと二度と作れません。
本日のまかないは、見た目だけなら立派なお子様ランチ。
けれど食卓の裏側では、豆とコールスローが静かに反乱を起こしておりました。
幸い、香ばしく焼けたハンバーグの奮闘により、まかないは無事に終幕。
豆とコールスローの乱。
これもまた、月詠堂の台所で生まれた、ひとつの記録です。
月詠堂 女将のまかない帖
福音ゆら¦月夜千冬星
心を休め、明日へ帰るためのデジタル旅館「月詠堂」の女将、月夜千冬星です。 タロット・数秘・星読みを通して、迷いや不安を抱えた心にそっと灯りをともします。 ここでは、占いのこと、心地よく暮らすための読み物、月詠堂に集う人々や日々の物語を綴っています。 どうぞ今夜も、ごゆっくりお過ごしくださいませ。
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